
この映画がアメリカで大ヒットしている、という情報を聞いてから、いつか日本で公開される日まで、極力この作品についての情報を見ないようにしよう、と決めた。情報過多な昨今、気を抜くとネタバレ記事やおいしいシーンの映像を見てしまうことが多く、それがこの手の映画の鑑賞時に致命傷となることが多いと思っているので気をつけていた。
というわけで、ようやく『WEPONS/ウェポンズ』が日本公開された。公開週の平日夜の回に映画館へ向かうと、大きめのスクリーンでの上映だったがお客さんは5〜6割の入り。観やすい席はほぼ埋まっている。
もちろん予告編も見ていないし、どんなストーリーか、誰が出ているかも知らずに映画を観るのはとてもワクワクする経験だ。
少しだけストーリー。アメリカのある小さな街で、ある学校のクラスメイト17人が水曜日の深夜2時17分、暗闇の中に走り出して姿を消した。クラス担任の女性教師ジャスティンは集団失踪事件に関与しているのではないかと疑いをかけられ、その真相に迫ろうとするが、この日を境に街には不可解な事件が多発していく…。
ネタバレ厳禁の映画なので、僕の感想も含めてあまり多くを記すのはやめておこうと思うけど、70年代のB級ホラーや、ジョン・カーペンターやデヴィッド・クローネンバーグらの初期の作品、スティーブン・キングの小説なんかが好きな人は絶対に観た方がいいです。不穏なドキドキ感やショック・シーンがたっぷりあって楽しめること請け合いです。
『WEPONS/ウェポンズ』監督・脚本・製作・音楽:ザック・クレッガー @池袋グランドシネマサンシャイン シアター6
以下少しネタバレありの蛇足的追記:
🔳低予算B級映画だと思っていたので主演のジョシュ・ブローリンをはじめ『ドクター・ストレンジ』のベネディクト・ウォン、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のオールデン・エアエンライク、『ストリート・オブ・ファイヤー』のエイミー・マディガンなど名のある俳優たちも結構出ていてびっくりしました笑
🔳あまり予算もかけているようには見えませんが、画作りが丁寧なのでしょぼい感じが全くなく、ちゃんと緊張感が途切れないように作ってあるのはさすが。画面が本当に美しくて、人によってはトラウマ級の恐怖体験になるかもしれませんね。監督・脚本・製作・音楽のザック・クレッガーという名前は覚えておいていいかもしれません。
🔳最後までワクワクしながら見ましたが、タイトル『WEPONS/ウェポンズ』の意味するものとか、起こっている事件が何のメタファーになっているのかなどが、もうちょっとだけ明確になっていたらものスゴイ傑作になっていたような気がします。そこは少し惜しかった。

🔳この映画を観ていて思い出したのは1976年公開のスペイン映画『ザ・チャイルド』。ある孤島にバカンスにやってきたイギリス人夫婦が島に大人が全くいないことを不審に思っていたら、子供たちが…?!というお話。直接的には描かれていないけれど、歴史的に世界中で小さな子供たちを虐げてきた大人たちへ静かな怒りみたいなものが、島の子供たちの眼差しの中に宿っていて、すごく心に残りました。そういうものが『WEPONS/ウェポンズ』でもうっすらでいいから見えてくると良かったなと思いました。

















